こちらを読み終える。
後半は「英語よりもまず母語」といった内容や、ロシア文学者から見たウクライナ情勢に関することなどが語られた。
一冊読み終えたあともう一度この本をパラパラとめくる。
すると、思想家シオランについて触れられていた。
怠惰礼讃を唱える。
著者によれば、ドストエフスキーは晩年の際に「穏やかでいること」が最も大事であると書いた。
また、『生の短さについて』で有名なセネカも同様に穏やかでいることの大切さを説いた。
「穏やか」とは具体的にどんな態度だろうか。
著者は東京オリンピック開催に猛反対した知識人たちに思うところがあったという。
「なるようにしかならない」
著者はロシア文学に浸ることでペシミストとならざるを得なかった。
しかし、この「何事も受け入れる態度」はこの先生きていくうえで大事なことではないだろうか。
著者は言う。
「自己防衛」や「リスク管理」といった態度は運命論の否定であると。
個人的にも、決定論には賛同している。
歴史的にはコペンハーゲン解釈の是非を問う、数学的な命題である。
この決定論に関してはこのブログで過去に度々記事にした。
今も変わらない気がする。
何事も受け入れる態度は、「マインドフルネス」にも通ずるものがある。
本書は、これからどう生きるかを問う際に読んでみても良いかもしれない。
つづく