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読書日記316

岡正剛『電子の社会 千夜千冊エディション』角川文庫(2022年)を読む。

千夜千冊エディションシリーズは度々お世話になっている。

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今回、パッと立ち読みして知らない本のタイトルが多いことから、情報源として読んでみたいと思い購入。

また、本書ではハラウェイ『猿とサイボーグ』も取り上げられている。

紀伊国屋書店で購入し、200ページほど読んだものの、内容が難しく頭に入らなかった経験がある。

 

 

ハラウェイは生物学者であり、客観的に「性」というものを語ることの不可能性に対して生態学ジェンダー思想、サイバネティクスの3つを繋げて挑んだとされる。

松岡氏は語る。

顕微鏡から見た細胞は「ナマ」なのか。

投薬しつづけている身体は「ナマ」なのか。

個人的な解釈では、つまりは本質を問うている。

 

 

よくある話では、人の言葉は他者からの「借りもの」で、これを突き詰めると自分という存在そのものはいったい何かという難題にぶち当たる。

哲学史においては繰り返し論じられたテーマといえる。

松岡氏の案内のおかげで、『猿とサイボーグ』の言わんとしていることの「方向性」を掴むことはできなように思う。

 

 

キットラーの精神と「編集工学」には近いものがあると松岡氏は述べる。

「認識とはメッセージをメディアに変換すること」をキットラーは著書で言おうとしていたのだと説明する。

 

 

認識論。認知心理学脳科学

これらの学問だけでは認識や人間について説明するには限界があると私は考えている。

多読という行為は哲学でいう「超越論」的で、個人的にはおすすめである。

 

つづく