こちらのつづき
議論は相変わらず複雑であり、まとまりに欠けるところもあるが、最後までやり通したい。60点を狙うつもりでやっていく。
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前回をざっくりまとめる。
前回は制度設計に関する導入部分を書いたのみであった。
あくまでも議論は「平等の参加」を前提とし、所有権、分業、富の配分法を「変数」と位置付け、そのあとのお話をせずに記事がストップしてしまった。
続きを書きたい。
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フレイザーによれば、制度設計のアプローチ方法は2つに分けられる。
・肯定的是正
・脱構築的アプローチ
以下、フレイザーの例をもとにまとめていく。
アメリカでは「ゲイ・アイデンティティ・ポリティクス」と「クイア・ポリティクス」が議論の対象となった。
前者は男性と男性、女性と女性の2パターンを「肯定」する仕方であり、
後者はその限りではない。前者を肯定することで後者を肯定することにはならない。
このケースにおいては「肯定的是正」は機能しずらいと考えられる。
フレイザーは、この場合、制度を一度壊すほうが有効とする。
ところが、「壊す」ことは「承認」には繋がらないとフレイザーは指摘する。
しかしながら、長期的には「肯定的是正」のほうが有効であるとフレイザーは考える。
そこでフレイザーは「ベーシック・インカム」に触れる。
無条件での配分は「表面的」な対処療法にすぎないと思われる。
ところが、「資本」と「労働」の権力バランスを変える可能性があると指摘する。
フレイザーによれば。長期的にどうなっていくのかはそれぞれのコンテクストに依存するという。
肯定的是正戦略と、脱構築戦略のラディカル(急進的)な推進力が組合わさることで非改革主義の改革の可能性が生まれるという。
議論が複雑に込み入ってきたので、次回もう一度しっかりとまとめたい。
つづく