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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

東大刺傷事件を考える

参考動画:AbemaTV www.youtube.com 一番大事な論点は、やはりカンニング竹山氏と同じく、 「何故悩みや苦悩が刺傷に繋がるのか」 であると思われる。 僕は以下の仮説を提示したい。 ・競争による人間嫌悪 競争にさらされると人は敵になる。自分を苦しめてい…

読書日記43

こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com いよいよ具体的なお話に入る。 ・党議拘束の廃止 政治を全く知らない自分にイライラしてしまった。党議拘束とはなんぞや。 本書によれば、民主党が政権を握ったときに小川氏がやろうと思っていた…

読書日記42

小川淳也/中原一歩『本当に君は総理大臣になれないのか』講談社新書(2021年)を読み込む。 また、こちらにも小川氏の本について書いてきた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 本書は小…

ウルリケ・ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ よみがえる危機の処方箋』みすず書房(2020年)読了

こちらのつづきである。本日なんとか読みきった。 nainaiteiyan.hatenablog.com つづきをまとめながら、最後に感想を書いていく。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 戦後の経済は世界的に急成長をした。それは「経済…

読書日記41

午後もこちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 新古典派の欠点が多く明らかになった。 ・新古典派は貨幣の役割を理解していなかった。 ・新古典派は、消費者が貯蓄せずに全て消費財に費やすという前提がなければ成り立たないような条件で…

佐々木紀彦『起業のすすめ』文藝春秋2021年読了

こちらに少しだけ、現在の日本人サラリーマンの現状を書いた。 nainaiteiyan.hatenablog.com 本書では、とある三菱商事の中堅社員が、社内の若手がどんどんベンチャーに転職したり、起業したりして辞めていくことを嘆くツイートが紹介された。 逆に、僕はそ…

読書日記40

今日もこちらのつづきを読み進める。 ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ』みすず書房2020年 nainaiteiyan.hatenablog.com 「社会貢献とは何か」という問いにハッキリ答えられない自分に腹が立った。 例えば、1000万人から100円を合法的に巻き上げるよう…

読書日記39

佐々木紀彦『起業のすすめ』文藝春秋2021年を読む。 人材コンサルティング会社、ギャラップ社が139カ国を対象に会社員のやる気を調査した。 東アジアは全体的に低い傾向があるそうで、日本は最下位とのこと。 また、国際社会調査プログラムの調査によると、…

野口憲一『「やりがい搾取」の農業論』新潮新書2022年読了

何故農家は儲からないのか。 原因はまずJAの「共選共販」というシステムにあるという。 農作物を一度JAに集め、「優」「劣」等にランク付けされ価格が決まる。 株式と違い協同組合は「一人一票」という原則、そして統一的な価格設定。 これが差別化を不可能…

これからの社会貢献を考える

まず、70億人全ての人が豊かな先進国と同じ生活レベルで生活すると地球が破滅するのは自明と思われる。 破滅とは、要するに人間だけでなく他の生物も死滅することを意味する。 希望は技術的側面と規範の進歩だと思われる。 前者は主に科学力にかかっていて、…

読書日記38

今日もこちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 結局のところ、マルクスとエンゲルスでも「価格」が何によって決まるのかを厳密に論証することはできなかった。 しかしながら、彼らは「過剰な信用供与が行われば常に金融恐慌が発生する」…

一週間のまとめ 2022 0115

一週間お疲れさまでした。 今週も無事、元気に読書に勤しめて良かったと思っております。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.ha…

中沢新一『はじまりのレーニン』読了

内容があまりにも難しかったため、今の僕には要約不可能である。 しかしながら、この難解な解説書を読み通すことで、僕は僅かながら哲学、政治、経済、そして革命の親和性を読み取ることができた。 現在僕は読書日記にてマルクス等の古典経済学を読み込んで…

読書日記37

ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ』みすず書房2020年のつづきを読む。 アダム・スミスの章を読みきることができた。 そして僕は、なぜ彼が『道徳感情論』という本も書いたのか少し分かった気がする。 彼は東インド会社の腐敗や貴族の贅沢ぶりに嫌気がさ…

読書日記36

ヘルマン『スミス・マルクス・ケインズ』みすず書房2020年の続きを読む。 今日はアダムスミスの思想を学ぶ。 スミスは完全な自由競争を目指した訳ではなく、国家を食い物にする特権階級が諸悪の根元であるという考えをもっていたとのこと。 当時のイングラン…

読書日記35

人はこう言う。 「学校ではお金について教えてくれない。」 厳密には2つ意味がある。 まず資産や投資に関係するお話だろう。要するに実践としてのお金。 もうひとつは大学院でなら学習できるかもしれない。 つまりは理論としてのお金。 僕の見立てでは、お金…

当たり前なことは不思議なこと

最近の僕の仮説にこういうものがある。 最終的に、個人がお金を使う理由とその個人が仕事をする理由は一致した内容となる。 しかし、人がお金を使うのは何故かと問い始めると袋小路になる。 僕は貧乏だがお金は使う。毎日コーヒーを飲む。 では、何故コーヒ…

読書日記34

西村義樹/野矢茂樹『言語学の教室:哲学者と学ぶ認知言語学』中公新書2013年を読む。 僕は、言語学は新しいアイデアやヒントを生む潜在力があると感じている。 マイナーな分野であるからこそ、まだ未知な部分が多いのではないだろうか。 言語学は20世紀のは…

小坂井敏晶『格差という虚構』ちくま新書2021年 読了

本日、なんとか読み終えた。この記事は約1500文字である。 読書日記にも細かいことは書いてきたので、部分的に割愛したい。 nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiyan.hatenablog.com nainaiteiya…

読書日記33

吉田徹『くじ引き民主主義』光文社新書2021年を読む。 読書日記32に『格差という虚構』を取り上げた。こちらにもくじ引き民主主義について言及されていた。それほどに、近年注目されているのだろう。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今、EUや日本、アメリカな…

三田誠広『マルクスの逆襲』読了

本書の構成は大きく分けて、 マルクスの基礎的な知識を復習 ⇓ 学生運動の考察 ⇓ 高度経済成長期の考察 ⇓ 現代社会の閉塞感の考察 ⇓ これからの展望 である。 僕が一番知りたかったのは、何故若者が暴動を起こすほど過激な時代が存在し得たのかであった。 著…

読書日記32

『格差という虚構』を読み進める。 導入部分では環境と遺伝の分離不可能性が示された。 過去、双子の研究や養子の研究が実証的に行われ、環境が能力を向上させる根拠はあるものの、その結果に関して、遺伝による要因を環境から分離して説明することは不可能…

読書日記31

アダム・プシェヴォルスキ『それでも選挙に行く理由』白水社2021年 仲正昌樹『カールシュミット入門講義』作品社2013年 この2冊を同時に読む。 この二冊を読み進めて思うことがある。 アクセル・ホネット『再配分か承認か?』において、フレイザーは再配分と…

読書日記30

三田誠広『マルクスの逆襲』(集英社新書2009年)を読む。 東大紛争の時代に、何故若者がマルクスに魅了されていたのかを解明する本である。 半分ほど読み進めた。 社会主義がユートピアのように見えていたのは、不都合な情報が日本にまで行き届いていなかった…

考えるヒント34

棒と刃物と集団 棒でつつかれるくらいならなんとか耐えられそうだ。 しかし刃物になるとそうはいかない。 物理学には、表面積がエネルギーと関係するためだ。 刃物は表面積が小さいが故に、エネルギーが一点に集中し、防御しきれない。 これと似たようなこと…

読書日記29

米原万里・佐藤優『偉くない「私」が一番自由』を読む。 常々感じるのは、日本はロシアに関する本が欧米のそれより少ないということである。 この方は数少ない、ロシアについて教えてくれる作家の一人である。 「クンデラの物語はにせもの」 という米原氏の…

岩田徹『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡』読了

この本を読んでいる途中、そして読み終わったあとも様々なことを考えさせられる。 まとまらない。 何故か。 おそらく、物語というものは人の内面を揺さぶる力があるということだ。 誇張かもしれないが、それほどに読書体験というものは特別であり、異質であ…

読書日記28

岩田徹『一万円選書』(ポプラ新書2021年)を読む。 この方のことは、新聞かなにかで知った覚えがある。 僕もすかさず一万円選書に応募しようと考えたことがあったが、人気過ぎて募集していなかった。 (3000人待ちとのこと) 僕はこの方がどんな人生を歩んでき…

読書日記27

マルクス『共産主義者宣言』を読む。 いよいよ、解説書ではなくマルクスの書いたものを読んでみようという気持ちになる。 僕が今日読み取ったものは、ブルジョア階級がプロレタリア階級を支配する基盤は、封建社会の時代に作られたものであって、時代ととも…

遥洋子『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』読了

細かい内容はカテゴリー「読書日記」に書いてきたので割愛。 ケンカとは、この本の文脈からすれば要は「議論」である。 単に相手を負かす為の本ではない。 この本は決してハウツー本ではない。 遥氏はテレビのタレントである。 ウィキペディアによれば、遥氏…