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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1312

読んだ本

小川哲『君が手にするはずだった黄金について』新潮社 (2023)

エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』みすず書房 (1999)

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日記

 

『君が手にするはずだった黄金について』

立ち読みして面白いと思った本は、よほど高くなければ買う。

この本はどこか惹き付けるものがある。

その重力に抗えず、約50ページほどのプロローグをいっきに読み終えた。

 

 

おそらく著者の経験をもとに書かれている。

プロローグは、著者が就活活動の時に経験した物語で構成されていた。

自分はエントリーシートという言葉を久々に出会った。

エントリーシートほど、就職活動というイベントの中心となっているものはないだろう。

今となってはもう縁がないが、あれは狂喜の沙汰だとしか思えない。

 

 

「あなたの人生を円グラフで表現してください」

著者は形而上学の観点から突っ込みを入れる。

人生という概念の幅が広く、「カテゴリー・ミステイク」を犯していると指摘していた。

大真面目に問題を考えればピント外れになるだろうし、問題の真意をある程度考えなければ採用担当から弾かれる。

あのなんともいえない社会からの重圧。エントリーシートという、本音と建前が織り成す芸術作品を完成させることができなかった自分は、ことごとく落ちた。

よくも悪くもなつかしい。感情移入できる。面白い。

 

明日いっきに最後まで読んでみようと思う。

 

・・・

『崇高と美の観念の起源』

今日も地道に精読を行った。

昨日は趣味について、感性と判断力の観点から考察されたものを軽くまとめた。

今日は快と苦について考察された箇所を読んだ。

バークはカント『判断力批判』とは違い、具体例が多い印象だ。

そのため、抽象論にとどまらず、具体的な知識として頭に入ってくる。

良い本だと感じる。

 

・・・

 

苦の除去、危険からの解放を、バークは「喜悦(delight)」と表現した。

昨日、バークは苦の定義について、それは快の除去ではないと書いていた。

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

その微妙な違いを「喜悦」という言葉で区別している点は良い点をついていると思った。

つぎに、逆の「快の除去(=快の停止)」について、バークは三種類あると書いていた。

"快の停止が心に三通りの仕方で作用する、という事実は認められるに違いない。" P41

 

・快が少しずつ消失⇒無関心状態

・快の突如の断絶⇒失望

・快の完全な消失⇒悲嘆

 

ドッキリの番組を観ると、人間の複雑な心理がある程度みえてくる。

憧れのアイドルから告白されたが、実は嘘だった。それは(快の突如の断絶)失望、もしくは絶望を催す。

 

 

ドッキリが瞬間的ではなく、長期的な場合もある。

「あれは全部嘘でした」

何かが崩れる。消滅する。悲嘆に近いかもしれない。

人間は不思議なもので、あまりにどん底に落ちると笑いさえ生じることがある。

この点において、バークは快の除去と苦の除去は性質が違うことを示した。

 

メモ

 

ホメロスオデュッセイア』のある場面に触れて

"苦の変形から生ずる喜悦は、自らの母胎となったその土壌をその堅固で強力で激烈な本性において露呈する。" P42

 

"概して死は苦よりも一段と遥かに強力な観念である。" P44

 

"しかし我々は決して生命と健康だけで満足すべく作られてはいない故に、それらの単純な享受は何らかの現実的快を伴うものではない。" P46

 

バーク「社交(=人付き合い)からの永久的な隔離は最大級の積極的な苦である」

 

"それ故に一般的社交の快と絶対的孤独の苦を秤に掛けて見ると、必ず苦の方が目方は重い。” P48

 

バーク「完全な孤独(人付き合いからの断絶)は存在目的(子孫を残す)にそむくので苦である」

 

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関連図書

 

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