こちらのつづき
前回をざっくりまとめると、ヘーゲルは、マキャベリやホッブズが前提とした社会存在に異を唱えた。
彼らは「原子論」的な人間観を想定しており、つまりは人間の本性を「自己中心的」であると「単純化」することから帰結される社会共同体は「フィクション」であるとした。
そこから「再解釈」しなおし、ヘーゲル独自の「承認論」をまずは「人倫」という観点から展開していくのであった。
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ヘーゲルは承認が形成されていく過程を3段階にまとめた。
1. 自己形成
2. 所有権をめぐる闘争
3. 名誉をめぐる闘争
ホネットによれば、まず初めの段階は「躾」による内的否定性と自立の獲得であるという。
2段階目は主体間の、権利をそなえた二人のあいだの闘争であるとする。
3段階目は全人格の完全性をめぐる闘争であるとする。
ホネットによれば、自分の人格が承認されるにたりる他者が存在すると確信することによって、名誉を回復するという目標を追求していくのだとする。
それには「死ぬ覚悟」が伴っていなければならないとする。
ホネットはこのことを「死と生をめぐる闘争」と呼ぶ。
ホネットによれば、この3つの段階は「破壊行為」という媒体によってのみ承認が形成されていくという。
ここまででは、なかなかうまくヘーゲルの承認論の全体像が見えてこないが、コツコツ読み進めながら、少しづつ解明していきたい。
誤読があればすぐに訂正していく。
つづく