こちらのつづき
前回をざっくりまとめると、ヘーゲルは承認形成には3つの過程があるとした。
家庭において自己形成・自立へ経て、所有権の闘争、名誉をめぐる闘争の3段階からなるとした。
つづきを書いていく。
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本書を読んでいくと、ホネットはヘーゲルの様々な著作から「承認」というものを再構成しようとしている様子がうかがえる。
というのも、ホネットによれば『人倫の体系』と『精神現象学』において、社会の共同体が形成される過程に差異がみられるという。
ホネットによれば、『人倫の体系』にのみ、承認をめぐる闘争が媒介となってはじめて、自我の能力を高めると書いてあるとのこと。
本書は、ホネットが『人倫の体系』と『精神現象学』をまずは再解釈しながらその後『実践哲学』の内容に入っていく。
ひとまず、そこまでをもう一度整理してから次の『実践哲学』の内容に入っていきたい。
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ヘーゲルはまずイェーナ期(1801年頃)においてフィヒテやホッブズ、そしてシェリングの哲学を参考にしながら『人倫の体系』を書き、その後1807年に『精神現象学』を書いた。
wikiペディアが正しいのかは不明ではあるが、参考としてみる限りでは、『精神現象学』はイェーナ期の思想を「完成」させたものと書いてある。
誤読があればすぐに訂正していく。
つまりは、まずは闘争の観点から共同体と承認の構造関係を、「人倫」の枠組みから理論的に構築し、その後に精神現象学ではなんらかの影響を受け、『人倫の体系』を改良していったと考えられる。
『実践哲学』の章を読み進めていくとそのことが明らかになっていくと思われる。
ここまでで一旦まとめとする。
つづく