プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を270ページまで読み進める。
ソクラテスは国家の統治体制は5種類あるとし、またそれに対応するように人間の性格も5種類あるとした。
全体から部分を説明し、部分が全体と等しくなる仕方で議論する姿勢は一貫して変わらない。
国家体制は、
優秀者支配制 (哲学者が国を統治) 、名誉支配制、寡頭制、民主制、独裁制の5つとした。
国の性質を調べあげ、それに対応する個人の在り方を調べあげていく。
優秀者支配制は調べ尽くした。
統治する者は哲学者であり、正義、勇気、節制、知恵を持つ人間である。
また、最大国家は分業が前提となり、理論上は一人一人が善を成す。
以上、優秀者支配制においては国の性質と個人の性質が相似する。
このようにして残りの4つを調べていく。
270ページの時点では独裁制の国の性質までであった。次は独裁制の個の在り方を探っていく。
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民主制の性質が印象的であった。
ソクラテスもこの体制が理想的であるように見えると述べた。
しかし自由が過度になることで独裁制に向かう性質や、平等に対する意識が個の欲望にも当てはまり、人は瞬間瞬間における欲望に平等に満たす。
ある時は勉強をし、ある時はトレーニングをする、といった具合である。
良い点をついていると感じた。
現代の日本も全員がそうではないにせよ、ある程度当てはまるように見える。
また、民主制がナチスを生んだように、ある意味予言的な内容を匂わせるものでもあった。
残り130ページ。
いよいよ最終章が始まる。
つづく