プラトン『国家 (下) 』岩波文庫を読み終える。
ソクラテスは詩の話をし始める。
どうやら画家に対する批判をしている。
例えば、職人は画家よりも道具の知識を豊富に持っていて、必要に迫られれば新たな道具を発明する。
その使用に関しては誰よりも詳しい。
画家はその性質すら知らず、ただ見たものだけを正確に描こうとする。
ソクラテスは、画家は単なる <真似> という行為のみ行う人間であり、その対象は実在する真実 ( =イデア) を決して描くことはできないと批判した。
その後は魂と不正の関連について考察し、「魂は不死である」と述べる。
最後は神話を持ち出して「善く生きること」の「意義」を語る。
以上にして、『国家』という壮大な思考実験は幕を閉じる。
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感想
全体=部分
部分=全体
一貫してこの前提が崩れることは最後までなかった。
しかしながら、個人的には批判できる点はいくつかあるようにみえる。
・部分の総和が全体になるとは限らない
・であるならば、議論の途中で前提から外れ誤った結論に到っている可能性がある
・ソクラテスの語る「善いこと」には人間中心主義が隠れているようにみえる
・女性に対する偏見が見られる
・理論と現実の剥離については詳細に語られていない
僕はゆっくりと『国家』の論点を再度整理しながら、これらの問題についてや、また別の疑問点があれば解消していきたいと思った。
つづく