読んだ本
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日記
ロゴスの池田晶子。
パッションの岡本太郎。
ご勝手ながら、「パトスの執行草舟」と思うようになった。(悪い意味ではなく)
『教育学のパトス論的転回』によれば、パトスの意味は非常に多様であるが、合理性や有用性といった、近代以降の社会思想と対を成す「価値合理性」や「伝統主義」といったものが当てはまるとされる。
『脱人間論』にパトス的思想がちりばめられている。
執行草舟氏の本の面白いところは、話のスケールが非常に広大で、人間の小さなことかた宇宙の果てまで、この世の現象の全てを網羅するところである。
本書は、実際に講演が行われたときの内容をテーマごとにまとめ、本にしたものとなっている。
序盤は井口潔氏との対談も収録されている。
こちらの本も、やはり期待通りに刺激に満ちた深い話が語られた。
「自分のために生きる」限りは運命を生ききることができないと執行草舟氏は語る。
宮台真司氏のいう「法の奴隷・損得マシーン・言葉の自動機械」と同じだと読んでいて思った。
文脈を考慮すると、この「自分のために生きる」ということの意味は、「何かを行う目的が自分の利益に還元されることが前提であること」だと分かった。
とにかく得したいというのが現代人の思想であると語られた。
互恵的利他主義からは自分も抜けきれていない。
これは以後の課題でもある。
言うまでもなく、この考えが抜けきらない人は人生のどこかで必ず思い悩む。
三島由紀夫も愛読した山本常朝『葉隠』によれば、思い悩んだときに沈むような人間は「虫けら」同然だという。
不可能に挑戦し続ける思想、それが葉隠の精神なのだという。
自分がそこまで到達できるとは到底思えないが、読んでいると日々のくだらないことに嘆く自分が恥ずかしく思えた。
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