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斎藤環/福山哲郎『フェイク時代に隠されていることについて』読了

ちらを読み終える。

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

 

後半はひきこもり問題や少子化ジェンダー社会保障等、「社会問題」に焦点が当てられていた。

まず率直に感じたことは、これらのほぼ全ての問題の根本原因は「構造」的なものだということである。

「男性民主主義」と表現するのが適切だろうか。

本書では「無痛分娩」が日本で普及していないことや、中絶薬が許可されていない点が挙げられる。

そのわりには「バイアグラ」はあっさり許可されたという皮肉。

中絶は「保険適用外」で、10万円以上する。

個人的に感じたのは、この費用が原因で望まない妊娠が起こり、それが虐待に繋がるのではないか、ということである。

 

 

生活保護の件では「小田原事件」が挙げられた。

これは生活保護の受給者に対する侮辱そのものであった。

しかし、これはカーストのような構造があり、生活保護の担当にまわされることは職員にとっても「侮辱」に受け取られるというのである。

そして侮辱が連鎖するというのである。

偏見が更なる偏見を生む、という構造があるのではないだろうか。

 

 

 

最後にタイトルの「フェイク」に関して思ったことは、これは単に安倍政権に対する批判だと感じた。

部分的には政府が発言したことと事実が一致していない。

隠すというよりかは、肝心なデータが公表されていない、という表現が適切である。

 

 

ただ、その事実を確認することは素人にとっては骨の折れることである。

本書のように、たんに推察にとどまるのではなく、データをもとに確実な事実をあぶり出し、そこから社会現象の原因や本質を掘り下げていくことが今後の社会の為になると私は感じた。

 

 

素人にできることは限られるが、本だけではなく一次資料をもとに確実に言えることを発信することが大事であると感じた。

 

つづく