ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟1』光文社古典新訳のつづきを読む。
こちらの批評集は断片的で読みやすい。
長々とした論文ではなく、エッセイのような形で10分もあればひとつの章を読み終えることができる。
ランダムに開いて読めるような本、かつ内容の深い本である。こういった本は2,3冊手元に置いておきたい。
「文学論」を読む。
小説は必ず歴史的、社会的なものを排除することができない。
必然的に「形式」が伴うものであり、それは芸術にも言えることだと書いてある。
そのなかでも優れた文学とは何か。
三木氏によれば、小説は「能力」次第であり、時代を超越するのものでありながら「社会的」でもある作品がいわゆる「天才」であると述べる。
端的に言えば「独創性」というものだろうか。
度々、マルクス等、偉人は「予言者」として格言が引用されることがある。
時代の一歩、二歩先に進んでいるような作品がひとつの条件なのだろうか。
文学論や美学は抽象的ではあるが個人的には面白い。
ドストエフスキーは着々と読み進めている。
登場人物も頭に入ってきており、いよいよ小説を「楽しむ」段階に入ってきたように思う。
つづく