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恋愛工学再考。猿と人間

今から5年ほど前、恋愛工学というものが流行った。

端的に言えば、強い男がモテるというなんとも単純な理論である。

そして、20代だった僕は、まんまとハマってしまった。

恋愛工学というものを再考したい。

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まず僕は、人間の社会的な行動と猿の行動を簡単に比較できるのか、と疑問に思う。

それはつまり、ある一定の行動、能力は人間も猿も同じであることを意味する。

 

 

人間の行動を猿のそれに還元するということを恋愛工学はやっていたのではないかということである。

よくよく考えると、飛躍しているように思う。

 

 

しかしながら、猿のそれと人間の社会行動になんらかの共通点があるのもおそらく事実だろう。

縄張り、権力。

こういうものはどこの動物社会にでもありふれたものだと思える。

 

 

こういう時に決まって出てくる言葉は「本能」である。

この本能というもの、実はどこまで本能で、どこまで本能でないのか。

これはよく分からないのである。

 

 

「理性は本能を抑えるもので、本能とは・・・・・」

そしてフロイトの理論に立ち入ることになる。

フロイトはどこまで正しいのだろうか。

精神分析には決定的な科学的根拠が足りないように見える。

 

 

この一連の流れは僕のたどってきた道と重なる。

つまりは、人間というものを説明するときに、何が分かっていなければならないのか、ということである。

 

 

 

そして事態は途方もないほどに複雑であることが分かった。

心理は社会と直結しているが、対照的な関係とはいえども、お互いがお互いに相互しあっているように見える。

そこに生理学、生物学、行動分析学、教育、道徳、倫理・・・・・・全ての学問が入り込んでくるように僕は見える。

 

 

 

どこまで物事を単純化するか。

どこまで、物事を説明するためのパッケージを世界から切り取ってくるのか。

これは難問であるように感じる。

つづく