橘玲氏といえばこちら『無理ゲー社会』が有名である。
たまには新書も良きかな、という気持ちで軽く一読。
今回の本はこの本の続編ともいえる。
とは言いつつも、やはり目新しい知識は入ってこなかった。
とりあえず娯楽として楽しんでみた、
今回もだらだら要約と感想を書く。
『無理ゲー社会』の内容を掴んでいることを前提に書いていく。
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・あらゆるものがハッキングされているという著者の目線
AI技術を駆使してテクノロジーを身体化すること⇒身体のハッキング
恋愛工学を駆使して恋愛市場を無双⇒恋愛のハッキング
金融工学を駆使して富を生み出す⇒お金のハッキング
自己啓発を通して生活を豊かにする⇒人生のハッキング
⇒今までの経済を大局的にみると、ハッキングで説明がつくという著者の考え
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・時代が求めるものは「富⇒評判」というパラダイムシフト
アメリカにおいても、物 (特にブランド物)を所有することに意義を見出せなくなっている若者が増えているとのこと。
⇒ミニマリズムの流行が象徴。
・SNSは「評判」を獲得するツール
若者は富より「評判」を欲しがっているというのが著者の考え。
全てのSNSは評判で説明がつく。
そして、このシフトが今後どうなっていくのかは分からない、と述べられたところでおしまい。
⇒今度は評判をハッキングしようとしているだけ、というのが僕の考え。
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・感想
この人がどんな信念をもって生きているのかはよく分からないしあまり興味はない。
とりあえずエビデンスはしっかりと明記されているし、単なる空想ではない。
最近僕は、思考というものは認識が全てであると思うようになってきた。
本心からこの本を書き上げていると仮定するならば、この人は世界を「攻略」「ゲーム」という眼鏡で見ているだろう。
僕の心はあまり共鳴しない。
内容は面白いという点においてのみ共感しているという事実はあるのかもしれないが。
僕の直感では、なんとなくこの人は不幸な生き方をしているようにみえる。
勿論、僕のほうが不幸なのかもしれない。
しかし幸福を判定する尺度は可変的で、曖昧で、多元的であることは否定できないだろう。結局はこの人もこの人なりに幸せに生きていることだろうとは思う。
こういう本はタイトルにインパクトがあるので、退屈な本よりはひかれるものがあるのだろう。
しかし、人々がこの本のような考え方に染まっていくと考えるとゾッとする、とだけ書いて終わりにしたい。
つづく