こちらを読み終える。(ネタバレなし)
作家志望の僕としては、話の内容よりかは構成や文章の表現に目がいってしまう。
とはいえここでは感想を書いて終わりにしたい。
何者でもない大学生。
何者でもない自分。
それが不幸にもコンプレックスとなる場合がある。
コンプレックスは時に自分を傷つけ、他人を傷つける。
今回は不幸になったケースが端的に語られていると感じた。
コンプレックスがぶつかり合うとろくなことがない。それはTwitterが証明している。
高度経済成長の頃の若者と今の若者の違いはなんだろう、と僕は考えた。
豊かになった社会には何者かになった人が沢山いる社会でもある。
高度経済成長前はほとんどいなかったと思われる。だから皆自分のアイデンティティというものを無闇に追求したりしない。
そこが決定的な違いではないだろうか。
今はテレビをつければその瞬間に何者かである人が大量に映し出される。
いつでもどこでも何者かになった人がそこにいる。
いったん、無知のヴェールに包まれてみたほうがいいかもしれない。
アイデンティティとは何か、自分とはいったい何者なのか。いったん考えることをやめたほうがいいかもしれない。
アイデンティティを突き詰めると、実は虚無でしかないと僕は思えてくるからである。
つづく