読んだ本
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日記
背理法のおかげで非ユークリッド幾何学の発見に繋がったということは今日初めて知った。
「真実を語り、預かったものは返すということは正義の正確な定義ではない」
証明したいのは「(省略)~が正確な定義ではない」ということであった。
仮定として「~が正確な正義である」と置く。
次に仮定に矛盾するケースを見つける。
見つかった。
「武器を預かり、狂気に陥った時に返すのは正義とは言えない」ということが分かる。
ゆえに仮定「~は正確な正義である」は論理が破綻する。
そして「~が正確な正義ではない」が正しいことが分かる、と小室直樹は説明する。
ユークリッドの公理5つのうち、5つめが複雑で、これを背理法によって論証しようとしたロシアの天才、ロバチェフスキーという人物がいた。
しかしなかなか矛盾が見出せなかった。ところが次々と定理を発見し、気がついたら非ユークリッド幾何学という、別のものが出来上がったのだという。
かくして、「公理というものは自明ではなく仮説にすぎない」という新しい常識が誕生したということであった。
・・・
書店に立ち読みしにいった。
プラトン『国家』の前に立った。
プラトンの哲人国家がユークリッド幾何学のようなものだとしたら、別の公理(=理想国家=非ユークリッド幾何学)も存在するかもしれないという考えがよぎった。
公理は自明ではない。これが相対主義者の自信に繋がっているのだろうか。
『解放されたゴーレム』を立ち読みした。
経済学に熟知しても何故お金持ちになれない人がいるのか。何故賢くてもお金持ちになれないのかというテーマについて書かれていた。
ケインズは例外だとしても、今日いくらでも経済学者がいるが全員がリッチだとは到底思えない。それこそポスドクの経済学者など皮肉のような存在である。
「信頼性」というものがその大きな要因であるということであった。
情報の出所、信頼性、データの信憑性。
なるほどと思った。
現実を正確には数値化できないのが今日の予測不可能性ということなのだろう。
現代数学の本を立ち読みすると暗号にしか見えない。
ただ、そんな謎めいた暗号にも限界があると思うと、所詮人間というところか、と少し安心するのであった。
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