読んだ本
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日記
しばらくは文学作品に没頭したい。
小室直樹の精神を築き上げたのはひとつに文学がある。
様々な本を読んでいて分かるのは、文学作品は間接的に人間を作り上げているということである。
いま目の前では、テレビで年金2000万円問題に不安を感じている人たちがイェール大学成田先生に相談しているが、先人たちが突きつけられた現実に比べれば今のほうが遥かに優遇されていないだろうか。
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『悲の器』はひとまず120項読み進めた。
高橋文学の射程範囲は広い。法制度、国家、権力など抽象的かつ観念的なものがその考察対象となっているように見える。
法学には疎い私ではあるが、道徳と法について考察する「道徳哲学」には個人的に軽く触れていたため、多少興味の持てる内容なのでなんとか読み通すことができている。
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後者の本は小室直樹博士記念シンポジウムが書籍化されたものとなっている。
小室博士の業績を紹介し、それを今後どのように応用していくべきか等が語られる。
途中、あまりにも専門的過ぎて飛ばし読みをせざるを得ない箇所もあった。
それでも刺激的な内容に満ちており、この本はもっと多くの人々に読まれるべきだと感じた。
ひとつ紹介したい。
私が学生の頃、「KY」という言葉が流行した。もはや死語となっている。空気が読めないやつ、といった意味だったと記憶している。
山本七平という人物は「空気」というものを学術的に研究したとされる。
日本においては「空気」というものがドグマ(教義)として機能している側面もあるが、それはキリスト圏におけるドグマとは違い、再帰的観察の可能性にはないとし、そのために軌道修正ができず日本社会が持続可能性であるためにはこれではいけない、といったことなどが語られる。
宗教社会学とアノミー論は、このように日常的に溢れる何気ない行動原理を説明するために有効である。
いまふりかえるとKYという言葉にはやはり無神論者の国、日本の独特な現象であったと感じた。
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