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読書日記907

西部邁『再刊 リベラルマインド』A&F (2021)

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日記

 

60ページ弱読み進めた。

価値観という漠然とした抽象概念は、政治思想という「レンズ」を通して区別化され得ることを再度確認できた。

西部邁の文章は無駄が削ぎ落とされた文章の集積体のごとく、非常に濃度が高い。ゆえに、60ページ読んだだけでもその内容を整理し、まとめるのは容易ではない。

 

・・・

 

『虚無の構造』のなかで、電車のなかで目撃した光景に対して西部邁は明らかに嫌悪感を示していた。

この真意は理解できなかったが、本書を読むことでわずかに輪郭は見えた。

 

 

まだ全部は読めていないので推測でしかないが、おそらくは以下の流れである

1、日本では歴史というものが軽視されている

2、合理性(=理性)によって、欲望に基づいた価値観(≒進歩主義的価値観)に正当化され、歴史的知恵が軽視される

3、ゆえに、その状況で行われる多数決は歴史的裏付けがない

4、シュンぺーターの予想通り、民主主義と資本主義がある程度うまく機能すると社会民主主義(≒福祉国家)へと移行していき、人々は豊かさに退屈を覚え始める

 

 

歴史的な知恵を重視しないことはあまり良い傾向ではない、ということはなんとなく理解できるが、その知恵はそもそもどういうものか。

資本主義と民主主義はどのように、いかにして悪い方面へ流れていくのか。

進歩主義は悪か。

なにがそもそも悪なのか。

読めば読むほど頭が疲れてくる。

 

 

地道に疑問点を解消していきたい。

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