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意識の解明は、最終的には同語反復 (トートロジー)で終わるのではないだろうか。

岡正剛『心とトラウマ』を読んで。

 

ちくま学芸文庫『量子脳理論』で有名なペンローズの理論は、コンピュータでは、心の解明は不可能だと断言し、量子力学から宇宙の法則を導きだし、そこから意識を解明していく道筋を示した。

松岡氏の意見も読むと、いま感じたこととして、タイトルのような結論が想像できてしまう。

"それは、「意識的思考のほうが非アルゴリズム的で、かえって無意識のほうがアルゴリズム的なのではないか」というものだった。かんたんにいえば、意識には計算不可能なプロセスを処理する実行能力があるということだ。もっとも、この示唆がどんな意味をもっているかということは、ペンローズも結論を出せないでいる。" P220 

 

というのも、言語や記号の体系に限界点のようなものを、僕も若干感じているので、意識という最難関の問題を、現在も未解明な「言語や記号」を用いることで説明しようとする姿勢そのものに弱点があるのではないだろうか。

非常に興味深いトピックである。

つづく