こんばんは
蒸し暑さが和らぎ、読書の秋の予感です。
読書の秋は僕にお任せください。
本書の構成としては、政治の話から始まり、東大生の話になり、教育について語っていくというストーリーです。
政治についてほとんど知識がない僕でも何を話しているのか理解できたので、スラスラ読め、しかも政治の面白さを少し見出せたのでやはりこの方、読者目線で物事をかける素晴らしい作家さんです。
タイトルの生きづらさについては、真ん中のページくらいから話が始まります。
本というものはタイトルを見ただけではわからないもんですね。
内田さんの考える生きづらさの要因とは。
■監視社会の到来。日本は人口ピラミッドが変化した。大人が増え子供が減った。つまり大人の目が増えたことによって監視が容易になった。
■ITの発達。ビッグデータに全て残るので、監視はより強化された。
■監視社会×同調圧力によって、若者は「抗う」より「馴染む」ことを合理的に選択せざるを得なくなった。
■国全体の雰囲気の変化。1960年代は「そのうちなんとかなるだろう」という歌が流行ったように、国民に楽観性があった。バブル崩壊以降は逆転し、悲観的になった。
「貧乏だけど貧乏くさくない」から「貧乏ではないけど貧乏くさい」へ。
個人的には、今の生きづらさの要因のひとつとぢて、やはり監視社会の到来が大きいと感じました。何故監視社会が到来したのか。これはまだよくわかりませんが、内田さんが60年以上生きてきて、時代の空気というものは確実に変わるということを経験で学んだと、そう述べていたことが印象的でした。
監視社会とは言い換えれば管理される社会です。
僕の嫌いな規制、規制、規制もこの大いなる社会のダイナミズムに組み込まれたものだと感じております。それも当然「生きづらさ」のひとつであることは言うまでもありませんね。
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