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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1123

読んだ本

グレゴリー・ベイトソン『精神の生態学へ (中) 』岩波文庫 (2023)

ヘンリー・ミラー『南回帰線』講談社学芸文庫 (2001)

北野圭介『ポスト・アートセオリーズ:現代芸術の語り方』人文書院 (2021)

つづきを読み進めた。

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

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日記

 

『精神の生態学へ (中) 』は非常に重厚な内容であった。

70ページの締め括りの文章は、言語コミュニケーションと論理の深みを思わせる。

"パラドクスが生じないようなコミュニケーションは、進化の歩みを止めてしまうのだとわれわれは考える。明確に規定されたメッセージが整然と行き交うだけの生には、変化もユーモアも起こりえない。それは厳格な規則に縛りつけられたゲームと変わるところのないものである。" P70

 

 

動物が認識不可能な言語コミュニケーションが、何故人間にはできるのか。

そこには矛盾性というものが持つ特殊な論理構造に依るのかもしれない。そう思わせる、非常に面白い章であった。

 

 

短絡的かもしれないが、すぐにゲーデル不完全性定理を思い出した。

論理体系が無矛盾ならば、その無矛盾性を体系内から導くことはできないというものである。

 

・・・

 

パラドックスはあっていい、というベイトソンの意外な一面が明らかになった。

よく考えてみれば、ユーモアやお笑いは意味の矛盾というものが付き物である

つまり、人間的であることは矛盾を持つということなのである。そのように考えたとき、矛盾というものが人間の条件なのかと、ある意味残念でならなかった。

 

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関連図書

 

 

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