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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1058

読んだ本

諸隈元『人生ミスっても自殺しないで、旅』晶文社 (2021)

仲正昌樹『思想家ドラッカーを読む:リベラルと保守のあいだで』NTT出版 (2018)

ひろゆき/竹中平蔵ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』集英社 (2022)

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日記

 

土曜日は一ヶ月ぶりにジュンク堂本店へと足を運んだ。

目当ては特になかったが、創作に力が入るような、熱い本を求めた。

結局、本は読まなければ分からないので面白そうな本を買っただけであった。

『人生ミスっても自殺しないで、旅』を軽く立ち読みした。

ヴィトゲンシュタインについて熱心に勉強し、30最まで小説で勝負し、結果的にうまくいかなかったので旅に出た、という面白い経歴を持った人が書いた紀行記を買わずにはいられなかった。

 

 

本書を読むと日本の料理がいかに美味しいのかが伝わってくる。

日本の料理が美味しいから海外へ移住したくないという人は少なくないようである。

海外へ行ったことがない自分にはなかなか想像がつかないが、マクドナルドは普通に美味しいとは思うが、海外の料理はマクドナルドに勝てないのだろうか。

本書を読むと、安い宿の朝食はひどいということが散々伝わってくる。

なら自分で買いに行けばいいじゃないかと思ったが、海外はコンビニもないのだろうか。

旅も大変だなと思わされた。

 

 

要所要所でヴィトゲンシュタインの話が語られるのが本書の魅力である。

ヴィトゲンシュタインといえば、語り得ぬものは沈黙しなければならないというセリフくらいしか覚えていないが、本書を読むことでヴィトゲンシュタインの人柄が多少伝わってきた。

ヴィトゲンシュタインは富豪の家に生まれたが、兄弟がどんどん自殺していくという非常に悲壮な体験を経験している。

世紀末のウィーンの悲惨さがよく伝わる一冊であった。

世界大戦がもたらす、精神的なダメージというものがいかに強烈なものか、そのあたりについていろいろと考えさせられた。

 

 

・・・

 

ひろゆきは語る。金儲けできない経済学者は信用できないと。

自分もなんとなく共感できる。

それはつまり、経済学というものがいかに無能なものであるかという裏付けでもある。

歴史上、経済学を習得して金持ちになった人物は2人とされる。

ケインズリカードである。(プラス竹中平蔵?)

 

 

もう一回裏を返せば、どんなに経済を勉強しても未来の経済を全く予測できない状況にあるということだ。

素人の自分には金融工学などさっぱり分からないが、コロナ禍の給付金によってインフレが起こり(実業家であり著述家の執行草舟氏によれば、である)、物価上昇に苦しむ人が多いなか、経済学者や政治学者は本当に、何をやっているのだろうかと思わずにはいられない。

偉そうなことを言える立場にはないのでこれ以上言及しないが、こんな状況で負けてたまるかと思う。

怒りは建築的な発想あるいは行動へと昇華させなければならない。

 

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関連図書

 

 

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