村上春樹『雑文集』新潮文庫 (2015年) を読む。
本屋さんでぶらぶら過ごしていた時に、突発的に村上春樹が気になった。
29歳まで小説を書いてこなかったことや、ジャズが好きで20代の頃は借金を抱えてジャズ・バーを経営していたことが語られた。
小説家というものは、やはり人とそれなりに変わった人生を歩んでいるような印象が強くなった。
月島雫も書きたいことが多く、受験が迫っているなか、図書館にこもってひたすら読書をしていた。
姉や両親がそんな月島雫を心配し、家族会議まで開いた。
「試したい」
という言葉が印象的であった。
村上春樹は小説家というものは本来、あらゆる個人的行為や原則を小説の中に詰め込むべきであると語る。
また、それは「副次的であるべき」とも言う。
その後、ナボコフやジェイムズ等、時代の流れに否応なく翻弄された文学者について語った。
禅問答のようである。
おそらく、小説家になりたい人はなれない。小説家は小説家になりたくない人がなる。
つづく