竹内洋『社会学の名著30』ちくま新書 (2008年) を読む。
個人的な話では、朝からこういった類いの本は眠気を誘うと感じた。
意識を飛ばしながらも、ページは飛ばさずに読み進める。
フランスの社会学者デュルケーム『自殺論』が取りあげられていた。
吉田敬『社会科学の哲学入門』によれば、デュルケームは「方法論的集団主義」の立場をとる人物とされる。
つまり、社会現象を個人の心理状態に還元できないと考える。
デュルケームは、それは心理学の学者が行う仕事であって、社会学者の仕事ではないとした。
社会心理学という分野があるが、素人の私からすれば正直なところ、「自殺」に着目すればもはや社会学と混合しているのではとすら思えてくる。
デュルケームは『自殺論』において統計をもとに、宗教に着目して相対的に比較したがむしろ反比例することを示した。
自殺は宗教とは関係なく、社会的な「統合状態」に影響されると示した。
以上を鑑みて、日本における自殺の状況というものをどうみるべきか。
自分なりに考えてみたが、「国民性」というものが自殺に影響を与えるという見方には懐疑的になった。
考察の材料が増えたことは良いことではないだろうか。
つづく