ピエール=フランソワ・モロー『スピノザ入門』(文庫クセジュ)を読む。
白水社は個人的にお気に入りの出版社である。
スピノザの伝記的な本である。
エチカを読みつつこちらも読み進めている。
この本は素晴らしい。
スピノザがどんな本を読んできたのかがよく分かる。
オランダで育ちながらオランダ文学は読まず、ひたすら聖書を読む。
ラテン語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を読むことができたという超人である。
聖書を読み込んでおきながら無神論者という異端なところも、僕がお気に入りの哲学者である理由のひとつだ。
光学レンズを研磨して生計を立てていたと書いてあった。
哲学者でありながら職人という、完璧に異端な人物である。
また、医学にも詳しく、様々な医者と交流していたと書いてある。
こんな人たちに囲まれていれば、やはり感性も研ぎ澄まされていたことだろう。
ますますスピノザに関心が高まる。
つづく