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読書日記と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記1235

読んだ本

ゲオルク・クリストフ・リヒテンベルク『リヒテンベルクの雑記帳』作品社 (2017)

ジェフリー・ロバーツ『スターリンの図書室:独裁者または読書家の横顔』白水社 (2023)

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日記

 

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『リヒテンベルクの雑記帳』

 

メモ

"善き作家とは、多く長く読まれ、百年後もさまざまな判型で出版され、まさにそれによって人間一般にとって喜びとなる存在である。人類全体は善きもののみを称賛し、個体はしばしば悪しきものを賞賛する。" P159 (『リヒテンベルクの雑記帳』)

 

・・・

スターリンの図書室』

 

スターリントロツキーを格下に見ていたことが読み取れた。

一方、レーニンには陶酔し、崇拝していることも読み取れた。

ソ連というものは大局的に見ればレーニンの精神で形作られている。そういうことを最近になってようやく知ることになった。社会人になるまで歴史の勉強はクソつまらないと思っていたが、哲学をやり始めると自ずとヘーゲルマルクスを経由し、遠回りして歴史の真髄に触れることができ、人類史の奥深さを前に、自分もこの壮大な存在の連鎖のひとつなのだと自覚した。

 

 

スターリンの読書法について書かれていた。

まずは数十ページざっと読んで、飽きたら結論まで飛ばして読んだり、興味があれば最後までじっくり読み込んだりと、意外と一般的な読み方に近いように思われた。

そういう点では若干の親近感がわいた。

 

"スターリンがまさに最期の日までマルクスエンゲルスレーニンを読み続けたことを突き止めた。" P192 (『スターリンの図書室』)

 

池田晶子は大学でヘーゲルを勉強した。読みやすい日常的な用語で『大論理学』を書き直そうと試みたほどであった。

マルクスもまたヘーゲルを批判的に読み込んでいた。

時代を超えて、書物同士が繋がっている。これはやはり素晴らしいことなのではないだろうか。

 

"スモレンスキーによれば、「トロツキーボリシェヴィキ指導部において、おそらく最も才気あふれる、そして最も矛盾した存在である」。この一部にスターリンは何も書いていない。だがマルクス主義聖典について、レーニン社会主義の聖書学者として読み込んだが、トロツキーは分析の方法とみなしたという部分にしるしを付けた。スモレンスキーが「レーニンマルクス主義は教条的で正統的だが、トロツキーのそれは方法論である」と述べたくだりである。以下にはトロツキーの見解が幾つか続いて引用され、スターリンは軽い筆致でチェックを付けている。同感、という意味だろう。" P197 (『スターリンの図書室』)

 

スターリントロツキーの本でも、出版されればすぐに読み込んだという。読書家であった一面を読み取ることができた。

 

 

レーニンの理論などが途中途中で断片的にではあるが書かれていた。

結局のところ、目的は独裁であるという点が共産主義の欠陥であると再認識。

人口が増えればピラミッドのように、下層へ降りれば降りるほど母数が増える。

オルテガ『大衆の反逆』に通ずるものがあるかもしれない。

つまり、選挙制度が機能する限りは母数が最も多い集団から票を得ればいいというだけで、共産主義はたまたまそのターゲットが労働者階級だったというわけではないだろうか。

 

共産主義は平等よりも自己の平穏、安寧が最も優先事項なのである。

共産主義者は表向き平等をうたい、腹の底では権力欲に飢えている。そういうものだろう。

 

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関連図書

 

 

マルクスヘーゲルに関する書籍

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