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読書日記56

田英樹『独学の精神』ちくま新書(2009年)を読む。

二宮金次郎と教育について語られる。

堅い本ではなかった。むしろ反骨精神に溢れるエネルギッシュな本である。

 

 

著者は学生時代から教育の陳腐さに辟易していた。

皆同じ本を手に取り、皆同じ指標で評価される。

優秀なものは誉められ、下位のものは罵声を浴びせられる。

 

 

教育とは何か。学問とは何か。何のためにあるか。

この根底から考えなおす、僕と相性の良い本である。

 

 

日本の教育の出発点は、おそらく富国強兵と連関していて、人間の尊厳なんてものは軽視されていて、とにかく国益になる人間を製造させるために出来たようなものであると僕は今のところ考えている。

そこに多様性という概念はない。質の良い製品をつくるための工場と変わらない。

おそらく、2022年においても、義務教育では先生に批判精神をぶつけることで内申点が下がるだろう。

こんなに陳腐で無意味な教育はいったい何のためにあるのか。

 

 

それは今も変わらないのではないだろうか。

多様性を強調するわりには、結局は多くの日本人にノーベル賞をとってもらいたいだろうし、世界標準に負けないぞ、という雰囲気を醸し出している。

 

 

二宮金次郎はそんな教育観を早い時期に理解し、独立に向けて『大学』という本を読む。

 

 

教育を考えることは、人生を考えることでもある。

内申点はいかにルールを守って、いかに与えられたテストを正確にこなせるかにかかっている。

2022年になってもまだ、日本の義務教育においては型通りに生きましょう、というメッセージを与えているように感じる。

つづく