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金子文子『何が私をこうさせたか』読了

こちらのつづきである。

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

僕は書評を書く才能はないと思うので、以下思ったことを記録として残すため、だらだらと書いていく。

 

ちなみにではあるが、金子文子1903年生まれである。

知の巨人、小林秀雄の1つ年下にあたる。

 

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金子文子金子文子たらしめたものとは

おそらく、それは「理不尽」である。

少なくとも、この本には「理不尽」に溢れている。

 

 

親の暴力

親の怠慢(ネグレクト)

祖母のいじめ

貧困

etc

 

この金子文子という人物に僕は少しながら自分を重ねる。

それはこのブログにも書き残したので多くは語らないことにする。

 

 

僕も少なからず理不尽を経験したが、この人にとっては取るに足らないものに違いないだろう。

「その程度で・・・」

金子文子が言っているように聞こえる。

 

 

しかし、僕らには共通点がある。

学によって自分の力を限界まで伸ばそうと決意したことである。

金子文子は、紆余曲折を経て社会主義者と親交を深めた。

といっても、金子文子社会主義者ではない。

本を読む限り、彼女は社会主義の欠点に気づいている。

 

 

 

ハンナ・アーレントとの共通点

それは、「気の合う仲間と共にすること」である。

彼女は、本質的に社会は人を完璧には幸せにできないことを見抜いている。

社会主義も、結局はそのなかでまた支配者が現れて、同じことを繰り返すと彼女は考えていた。

 

 

 

100年前も今も変わらないことがある。

富めるものは富み、そうでないものは権力(=資本)に服従しつづけるという現実である。

この100年で人はどのくらい幸せになったのだろう。

 

 

とまあ、いろいろあるが、自分の人生は自分の力で切り開く。

これは普遍的なように見える。

つづく