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感想
(ネタバレなし)
ラディゲ、モーリアック、モーム、三島由紀夫。ひとまず4つの作品を読み通して文学的な芸術世界に浸った。
物語を自分でつくってみて思うのは、正確な描写というものが意外と難しいというものであった。
これは作曲も同じように思う。
「楽しい曲」「悲しい曲」「感動的な曲」
以上のテーマを与えられた場合、つくれなくもないが、表現力という観点からみた場合、否応なく専門家からは合格点には届かないと判定されるだろう。
プロとアマの境界線。
この断絶をいかに乗り越えるか。
・・・
個人的にはこの4つのなかではモーム『月と六ペンス』が最も評価されるべきだと感じている。
モームの作品はまだこのひとつしか読んでいないが、この作品は構成力の観点からも抜きん出ているように思う。
モームから学ぶべき点は多いように思う。
・・・
「肉体の悪魔」というタイトルに関しては、シオランの言葉を思い出さずにはいられない。
"あらゆる苦悩は、精神の領域においては例外なくひとつの幸運である。精神の領域においてのみ。"『悪しき造物主』P160
至福、つまり肉体が精神を食い尽くすことは不運だろうか。それとも幸運だろうか。
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