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ラディゲ『肉体の悪魔』新潮文庫 改版 (2004) 読了

ラディゲ『肉体の悪魔新潮文庫 改版 (2004)

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感想

 

(ネタバレなし)

 

ラディゲ、モーリアック、モーム三島由紀夫。ひとまず4つの作品を読み通して文学的な芸術世界に浸った。

物語を自分でつくってみて思うのは、正確な描写というものが意外と難しいというものであった。

 

 

これは作曲も同じように思う。

「楽しい曲」「悲しい曲」「感動的な曲」

以上のテーマを与えられた場合、つくれなくもないが、表現力という観点からみた場合、否応なく専門家からは合格点には届かないと判定されるだろう。

プロとアマの境界線。

この断絶をいかに乗り越えるか。

 

・・・

 

個人的にはこの4つのなかではモーム『月と六ペンス』が最も評価されるべきだと感じている。

モームの作品はまだこのひとつしか読んでいないが、この作品は構成力の観点からも抜きん出ているように思う。

(現在、モームサミングアップ』を読書中 )

 

モームから学ぶべき点は多いように思う。

 

 

・・・

 

 

肉体の悪魔」というタイトルに関しては、シオランの言葉を思い出さずにはいられない。

"あらゆる苦悩は、精神の領域においては例外なくひとつの幸運である。精神の領域においてのみ。"『悪しき造物主』P160 

 

 

至福、つまり肉体が精神を食い尽くすことは不運だろうか。それとも幸運だろうか。

 

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