つづきを読み終えた。
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感想
小説を書く際のアドバイスだけでなく、人生に関するあらゆる哲学的な話も盛り込まれたこの本は非常に意義のある読書時間を与えてくれた。
序盤は小説を書き始めた頃の話、そこから名声を得たあとの話、作家論や演劇論へと展開され、今日読んだ後半は哲学がメインであった。
この本の感想を本気で書こうと思えば5000字以上いきそうな気がするので、部分的に割愛。
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前回か前々回の記事で、モームが「苦悩は人を気高くしない」と書いたことに対して、私はモームが本当の苦悩を知らないだろうからあまり信用できない旨を書いた。
読了後は若干の訂正をしなければならないように感じた。
それは、モームの仕事量(読書や執筆に捧げた時間)が尋常でないことが伝わったからである。
天才は常識的である、とモーム自身が言っていたことはそのままモームに返ってきているように感じた。
つまり、モームがやってきたことはどの業界の人にも共通するものだということであった。
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本書の最後に書かれた一文は、その以前に書かれた全ての文に目を通したことでより説得力を帯びるように感じた。
(正しい行為とはなにか、という問いかけに対して17世紀スペインの修道僧、ルイス・デ・レオンの答えを挙げる。)
”この言葉で本書を終える。曰く、人生の美はこれに尽きる、即ち、各人は自らの性質と仕事に応じて行動すべし、と。” P356
カントは、趣味判断には客観性がないと回答した。
答えは神のみぞ知る。
何故ならば、それこそが個人に与えられた唯一無二の個性なのだろうから。
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