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読書日記1025

読んだ本

ヴァージニア・ウルフ『新装版 病むことについて』みすず書房 (2021)

仲正昌樹『新装版 ラディカリズムの果てに』明月堂書店 (2016)

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日記

 

『病むことについて』というタイトルは重く感じるが、本書はウルフによる読書論も収録されており、いろいろと勉強になった。

ウルフは「小説を書くこと」によって作者の諸要素を理解できるようになると語りかける。

建築術と似ていて、言葉の芸術作品である小説を組み立てるには、どの言葉を選ばなければいけないか、どの言葉を選ぶことは危険なのかを考えなければならない。

 

 

ウルフは小説家になる前は22歳から書評を行ってお金を稼いでいたということが書かれていた。

読むことに長ける人はやはり書くことにも長けるのだろう、いや、逆のほうが正しいのかもしれないと感じた。

書くことによって初めて読むことが可能となる。

 

 

それでも、ウルフは小説はそれを読むこと自体が楽しみであってはいけないのでしょうか、と問いかけ、読書体験の素晴らしさを深い考察とともに学ばさせてもらった。

 

 

・・・

 

『ラディカリズムの果てに』では、相手の主張をちゃんと聞こうとしない左翼陣について語られた。

昔の左翼であれば「聞いてやろうじゃないか」という態度が少なくとも生きていたが、いまではそれすらもなく、ただひたすら自分の「決めつけ」で話をするやり方に対して「いかがなものか」という内容であった。

 

 

仲正教授の本を読むことで、中立的に物事を見るヒントを学ぶことができるように思われた。

便利なものは人を堕落させる。

ネットで言論が成り立たないのは、ボタンを押せばメッセージが発信できるその「楽」なところにあるという点は重要であるように思われた。

「楽」も時には大事だが、やはり楽になると人はあまり良い方向には向かわないということを思わされた。

 

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