フランツ・カフカ『城』のつづきと、
小林秀雄『考えるヒント3』文春文庫新装版 (2013年) を読む。
カフカの小説をビデオで例えていうならば、早送りしてようやく普通のスピードとなるような、そのような感覚である。
起きている出来事自体だけを端的に書くのならば、『城』は分厚くはならないだろう。
数多くの上手い表現や言い回しが何故ここまで噴水のように出てくるのか。
ここが独創的であるように感じる。
250ページほど読んだところ、言葉の乱射攻撃によって話が掴めなくなってしまった。
小林秀雄の『考えるヒント』を初めて読んだのは高校生の頃であった。
なんとなく買ってみたが何を言っているのかさっぱり分からなかった記憶がある。
今日はベルグソンの哲学について触れられていた。
科学者の認識や考え方は、実はある常識にとらわれていて本質を見逃している、といった内容が語られていた。
大人になってからようやく小林秀雄の本と向き合えるようになってきた感触はある。
そんな小林秀雄を尊敬していると公言していた池田晶子氏もまた、脳科学に対して独特な見方をしている。
唯心論、唯物論。
文系理系といった、単純な区切りに囚われないような柔軟な考えを持ちたい。
つづく