こちらを読み終えた。
著者は大工さんが家を建てる姿を見るのが好きみたいである。
大工さんの学びかたは学校の教育とは真逆てあるとする。
見習いは何も指示を与えられない。そして立ったままでも怒鳴られる。
なにかしないではいられない。
そして大工さんは必死に学んでいく。
力の入れ具合、木材の微妙な差異は定量化できない。
身体を通してのみ技術は磨かれる。
著者はアジアで科学の発展がなかったことの理由として、農業だけで暮らしていけるからだと説明する。
なるほどと思った。
西洋は必要であるから科学を発達させた。
厳密に言えば、必要に迫られたから発達した。
いわゆる、近代合理主義というものだろう。
そして理性は第二次世界大戦で無力なものであると分かる。
むやみに西洋の真似をするなという、暗黙のメッセージが込められているように感じた。
二宮金次郎がどう世界を理解していたのかは不明ではあるが、彼がのちに農業に従事することになる理由をつきつめてみると、著者のいわんとすることがわかるのだと思った。
つづく