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前田英樹『独学の精神』ちくま新書(2009年)読了

ちらを読み終えた。

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

著者は大工さんが家を建てる姿を見るのが好きみたいである。

大工さんの学びかたは学校の教育とは真逆てあるとする。

 

 

見習いは何も指示を与えられない。そして立ったままでも怒鳴られる。

なにかしないではいられない。

そして大工さんは必死に学んでいく。

力の入れ具合、木材の微妙な差異は定量化できない。

身体を通してのみ技術は磨かれる。

 

 

著者はアジアで科学の発展がなかったことの理由として、農業だけで暮らしていけるからだと説明する。

なるほどと思った。

西洋は必要であるから科学を発達させた。

厳密に言えば、必要に迫られたから発達した。

 

 

いわゆる、近代合理主義というものだろう。

そして理性は第二次世界大戦で無力なものであると分かる。

 

 

むやみに西洋の真似をするなという、暗黙のメッセージが込められているように感じた。

二宮金次郎がどう世界を理解していたのかは不明ではあるが、彼がのちに農業に従事することになる理由をつきつめてみると、著者のいわんとすることがわかるのだと思った。

つづく