つづきを読み終えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
感想
219項 [結辞] まで延々とスペイン人が行った侵略行為について報告がなされた。
原住民からどんなに温かい歓迎を受けようともスペイン人はその場で殺戮行為にのみに徹していた。
まるでプログラムされた機械のように、スペイン人はただ金を求めて侵略行為を数十年のあいだ幾度となく繰り返した。
解説を読むと、ラス・カサスが別に書いた『報告』のほうはスペイン人の侵略行為を止めるために執筆されたとされる。
出版されると反スペイン運動につながった。民族の精神とキリストの精神というものは、厳密には違うのではないかと思われた。
また、結局のところどんなスペイン人が侵略行為に及んだかまでは把握できなかった。
「命令でやったにすぎない」と彼らは言い、それはアイヒマンを想起させた。
インディオを「理性がない」と決めつけたが、結局は彼らにも理性はなかったのであった。
しばらく解説を読んでいると、どうやら当時のスペインは財政状況が良くなく、ヨーロッパ大陸全体のことを考えなければスペインの心理状態というものが見えてこないように思われた。
彼らもまた常に侵略の危機に怯えていたということではないだろうか。
また、ラス・カサスの仕事は国際法が生まれる契機となったとされる。
本書をきっかけに国際法に少し関心を持てるようになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
関連図書