還元主義は全体的な法則(=上位概念)を小さな、基本的な法則(=下位概念)によって説明しようとする立場にある。
また、耽美主義は道徳的な判断を放棄し、美を最高の価値とする態度である。
個人的に、耽美主義(=唯美主義)は逆接的に道徳を説明し得るのではないのか、と考える。
まず、そもそも「美」に関して人は確固たる定義を持たない。
しかしながら、「美しい」という感覚は共通の感覚として分かち持つ。
美しい自然。
美しい道路。
美しい言葉。
美は自ずと道徳へと還元される。
だから僕は美は還元主義的な性質を持つのではないのか、というのが午前中の読書を通して感じた。
芸術と価値判断に関して突き詰めると、欲望や資本主義にも隠れている「美的価値」を説明することで、ある意味世の中の大半をカバーできるほどにその知見が応用ができるとも考えられる。
このテーマは春以降、僕にとって重要なテーマとなる。
つづく