本を読んだ感想。一言で言います。
AI、思ったほど万能ではないな、です。
養老さんの言っていることは抽象的で理解しにくい箇所が多々ありましたが、とりあえず、4人の識者との対談において、「将来AIに仕事を奪われる」といった悲観的な話はなかったです。
AIには汎用性がない。
これに尽きます。
例えば、身近でいえばパティシエや美容師など、職人の技には技術的についていけないという一般論があります。
養老さんのお話で、ひとつ面白いお話がありました。
仕事上のミスが、AIだと「失敗」ではなく「バグ」となることについてです。
「面白くねえな」と一蹴していました。
失敗は人間しかできない。これは深い話だなと思います。
また、物質と精神についてお話がなされていました。
ロボットには意識は持てない、という話でまとまりましたが、僕も同意します。
そもそも、細胞すら作れない人類に、意識など到底作れるものか、というのが一致した意見でした。
細胞を作ろうとすると、やることが多すぎて物質が変化してしまい、結局作れないとのことでした。
最先端の科学の話が混ざりつつ、社会とのあり方についてしっかり議論がなされる、良書だったなと思いました。