読んだ本
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メモ
"すぐれた資質に恵まれて、いきいきとしているひとりの人間に対し、十人は凡庸で生活力に乏しい。そしてすぐれた政治の目的は、後者が、自分よりすぐれている者が当然就くべき社会秩序における地位を絶対に奪わぬようにすることである。" (マイケル・ヤング『メリトクラシー』P50)
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日記
執行草舟氏の働きかけによって本書が復刊されたとされる。
Amazonのレビューにはマイケル・サンデルの『実力も運のうち』が話題を呼んでいることから復刊に至ったのではないか、と見ている人間がいるが、恐らく関係ない。
執行草舟氏が本書を強く推しているのは平等主義(欧米のヒューマニズムに基づいた平等主義)に対する危機感であるということは言うまでもない。
現代ヒューマニズムの問題点に関しては『現代の考察』と『脱人間論』に詳しく書かれている。
前者は816ページ、後者は530ページにわたる。
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ひとまず100ページ弱読み進めた。
ざっくり言えば以下のような内容であった。
・適切な選抜試験(知能検査など)によって優秀な人材が確保できることが二回の世界大戦によって立証された
・知能指数の高い者と知能指数の低い者を同じ教室で一緒に教育させるべきでない
・教育の効果はしばらくあとに現れるが、学校の力を強めることは重要である
非常に読みにくい本であったが、競争の重要性をそつなく述べていく構成となっている。
この本から知恵を引き出すには様々な知識が必要とされるように感じた。
いまの自分には力不足であり、教育と政治の相互関係のあり方までを考えるには至れなかった。
この令和の時代に反平等主義は時代に合わないかもしれない。
アメリカでは多くの若者が社会主義者になりつつあると主張している本も紀伊國屋書店でみかけた。
ただ、やはり、能力がない人間が政治に関わると恐ろしい事態になりかねないことは想像に難しくないはずである。
平等について関心の高い人はマイケル・サンデルの本とこちらの本も並行に読むことで得られるものが多いように思う。
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日本の戦後文学史と大江健三郎についてもいろいろと触れてみた。
結局のところ、「書きたいから書いている」人が結果的に実績を残しているのだと思われた。
なぜ書きたいのか。
そこに答えはいらない。
批評家は散りばめられた言葉からその理由を引き出そうとするが、自分はそこまで興味は持てなかった。
日本においては「文学」と「小説」がほぼ同じ意味で理解されている。
「小説はコスパが悪い」という風潮と「文学は役に立たない」という見方はどこか共通点を感じた。
また、この見方は奥の深いところで政治への無力感とも繋がっているように感じた。
つづく
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