はてなブログ大学文学部読書研究科

読書と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記531

今日読んだ本:

櫛原克哉『メンタルクリニック社会学

岡本祐一郎『アメリ現代思想の教室』

塩谷舞『ここじゃない世界に行きたかった』

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メモ

 

今日はとっていないので省略

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日記

 

ポストモダン系の思想は資本主義のオルタナティブ (alternative:代替の) を示せていないということは仲正氏『ポストモダンニヒリズム』においても書かれていた。

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

ラカン精神分析を社会理論に応用した左派中の左派、哲学者スラヴォイ・ジジェクオルタナティブを示せていないとされた。

 

 

そんな行き詰まりのなか、近年では少し動きがあると書かれていた。

例えば「新反動主義」が挙げられた。

 

昨日も書いたように、リバタリアニズムは平等ではなく権利を主張する。

これがやや過激になり、自由に基づいて民主主義を否定するのが「新反動主義」と呼ばれるそうである。

 

例えば『絶滅への渇望:ジョルジュ・バタイユと伝染性ニヒリズム』の著者ニック・ランドはこの新反動主義の思想家として位置付けられるとの事であった。

 

 

結局のところ、平等の原理によって、自分で稼いだ分の一部が税としてある程度「強制的に」控除されることが「自由」ではないという主張であると思われる。

 

 

彼らはテクノロジーによる新しい自由空間の創設に期待している。

「サイバー空間」「宇宙空間」「海上自治都市」の三つであると書かれていた。

 

 

政府による介入を徹底的に拒むという態度がうかがえた。

 

これを読み、考えることはいろいろあった。

 

疑問もあれば新しい発見もあった。

 

2010年代、経済学者ミラノヴィッチが示したエレファント・カーブは、端的に先進国の所得の伸び率が新興国と比べ著しく低いものであった。

 

 

中間層と所得に関しては、世界的に日本と似たようなことは起きているというのである。

率直に、これは偶然ではなく必然であるかのような印象を抱いた。

 

 

新反動主義の考えも全く分からなくもない。

 

しかしながら、民主主義はあらゆる国において、国民が勝ち取ったシステムであるように感じる。

それを否定するというのは、端的に歴史を繰り返す可能性を排除できないと感じる。

 

 

とはいえ、無条件に「人間は平等であるべきだ」という公理のようなものが政治に歪みをもたらしている可能性もゼロではないようにも感じた。

おそらく、平等を優先させ過ぎることによってなんらかの代償を払っている。

徹底した節税対策、タックスヘイブン内部留保、財源不足。

 

 

なにかが偶然ではなく必然的に進行しているような印象を今日はもった。

思想家のなかにはその過程を予言した人物もいた。

 

 

政治理論に正解はあるか分からないが、なにかの法則はある。そのように感じる。

抗いきれない力学が働くなか、自分は何をしていけばいいのだろうか。

こんなことを考えるのは真面目で愚かなのだろうか。

という自己嫌悪をも抱く。