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読書日記210

本俊彦『誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論』みすず書房(2021年)を読む。

著書は若手の精神科医に聞かれた。

「なんでアディクション (依存症) なんかに関心を持ったんですか?」

世の中に、アルコール依存症と薬物依存症には偏見が少なからずある。

依存症の治療は精神科医から嫌煙される。

著書も人事により、不本意ながらにアディクションに向き合わざるを得なかった、と書いている。

 

 

著書が中学生の頃、学校は荒れ果てシンナーやタバコを吸う人で溢れていた。

また、友人が薬物依存になり若くして交通事故で亡くなる。

患者と友人が重なって見える。

なんとかして救いたい。でも治療法が全く分からない。

著書によれば、異動後は悪戦苦闘が続き、長い闘いを強いられた。何をしてもうまくいかない。

そしてのちに患者の「トラウマ」が隠れていることを発見する。

 

 

僕が形而上学に魅力を感じるのはこの話のように、人には目に見えないが何かが必ず「実在」している。それを心といえば簡単だが単純でもない。

現代はビッグデータで世界を捉えた気になりがちであるがそんなことは決してない。

ミクロこそが世界を規定する。僕はそう感じる。

 

 

つづく