こちらを読み終える。
後半はエネルギーと労働から始まる。
エネルギー問題は太陽光発電や風力発電のように、自然の力を生かすエネルギーの拡大が必須であるが、気候によって左右されるため、その蓄電を行い消費地に送電するための整備には課題があるとのこと。
また、2011年に一度原発は止めたが、現在は再び稼働に舵をきっている。
更なる安全強化のためには当然コストがかかる。また、核のゴミを地層に生めていくための調査が最近になって始まったとのこと。
コストが安い火力発電を推せば環境破壊が待っている。何かを犠牲にせずにはいられないジレンマに陥っているのは確かだろう。
労働に関しては、日本は流動性が相対的になく、硬直化が健在である。
雇用制度が流動性を決めるが、人事制度が個々の能力を正しく評価できていないことから生産性が低くなっているのが日本の課題であるそうだ。
ジェンダー差別問題も依然として未解決であり、女性は優秀であるというデータを実証的に示し、EUのように企業に男女間の賃金格差を公開するような透明性が求められる。
地方創生も課題となっている。
マンションの建設が進み、また、相続後にコスト面から解体せず実家をそのままにしている人が少なからずいるため、空き家が多い。
都市への流出も進み過疎化は止まらない。すると自治体の財政が悪化。
これらを解決する道としてDXが注目されているとのこと。
最後に、著者は日本経済再生への提言を行う。
健康への投資。自己開発。外国人労働者の受け入れ。
健康への投資は定年後も一定期間働くことを可能にし、自己開発 (スキルアップ) は変化の早い経済に対応できる糧となり、外国人労働者は経済を潤す。
おおまかにまとめると以上となる。最後に感想を書いてこの記事を終了としたい。
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感想
新書という限られた文字数のなかでデータを豊富に提示しながら、かつ情報を隈無く提供をするには少なからず限度がある。
そんななかでも、本書は具体的なデータを示しながら端的に今後の課題やある程度の優先順位を示してくれたように感じている。
初めから「経済成長は絶対的に必要である」というスタンスのなか、本書は問題点をあぶり出し、「何かアクションを起こさねば」という気にさせる。
労働の章ではスキルを磨くことが必須であると述べられた。
本書によれば、誰でもできる「下」の仕事と、高度な「上」の仕事はAiが普及しても残り、その中間にあたる事務職のような「中」の仕事が減っていくという。
仕事を奪われた人の一握りは「上」へと流れ、残りは「下」の仕事の奪い合いになると考えられる。
であれば、何のための技術革新なのだろう、そう考えるのが僕のサガである。
本書をきっかけに、他の事柄も学んでみたいと思うようになった。
僕は僕のやりたいことに取り組む。
つづく