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読書日記196

實重彦『表象の奈落 フィクションと思考の動体視力』青土社(2018年)を読む。

 

 

著者によれば、ドゥルーズは『記号と事件』(河出文庫) のなかで「プラトンを超えることはもはや不可能」であると述べているみたいである。

池田晶子氏は、逸脱不可能な哲学の台本は2000年前に既に完成した、と書いている。

それほどに、完璧なまでにプラトンは真実を突いた。

これが2000年以上読み継がれたゆえんであろう、と僕は端的に思った。

 

 

「思想には根拠がない」とよく言われる。

この有り様なら尚更だな、と僕は感じてしまった。

 

 

現代哲学はもはや哲学ではなく「思想」ということになるのだろうか。

しかし、マルクス・ガブリエル氏は存在と宇宙をめぐる壮大な物語を書き連ねているので、三部作の最後が出たら読みたい。『なぜ世界は存在しないのか』⇒『私は脳ではない』⇒『?』

前にも書いたように、個人的にはガブリエル氏と池田氏は同じ道を辿っているように感じている。

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

 

 

池田氏は「私がヘーゲルだ」とまで言う。

そこまで言いきるのだから、僕も『大論理学』を読みたくなってきたところである。

 

 

つづく

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