何故ならその「社会」という言葉が意味することを本人はちっとも知らないからである。
社会という言葉で世の中を説明できるほど世の中は単純ではないだろう。
永山という死刑囚がかつて存在した。
全て社会のせいにして人を殺した。
そこまで僕は読んだ。あとは知らない。
社会のせいだ。
この言葉ほど宙に浮いた言葉はない。
この言葉が意味するものは「ヤバい」と同じくらいに空虚だ。
彼はのちに後悔する。
思想教育が施されたみたいである。
そして無知に気づく。
しかし僕は彼の家庭環境を見逃せない。
ネグレクト。
蛙の子は蛙。
学校で教えるべきはこういう物語ではないのだろうか。
しかし現実的には厳しそうだ。
教師を育てる教職課程にそんなことを教えるカリキュラム、シラバスがないのだから。
かくしてテロリズムはとどまるところを知らないのである。
気づけ、文科省。
つづく