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読書日記156

ニエル・C・デネット『自由の余地』名古屋大学出版会(2020年)を読む。

自由意志問題の名著である。

僕は本書のとある話に夢中になった。

 

 

 

アナバチはコオロギを仕留めると、巣の入口まで運ぶ。

そのあとコオロギを入口に置いたまま巣の内部を確認したらコオロギを巣のなかに入れるのだそうだ。

ここで人間が、アナバチが巣のなかにいる時にこっそりコオロギを数インチ動かす。

すると戻ってきたアナバチはコオロギを入口まで戻してまた巣のなかに入っていくのだそうだ。

驚くべきは、時にこれが40回も繰り返されるのだという。

 

 

 

つまりは、人間のような高度な生き物がいたずらをしているように、

人間もまたもっと高度な原理にいたずらをされているのではないか、というお話になる。

 

 

 

ここで考えるべきは自由の定義だ。

何が自由でないのか。

自由とは何かを知っているつもりになることはこの問題を放棄するに等しい。

知っているつもりになって何も考えないことは悪が生まれる条件になることはハンナ・アーレントが指摘した。

 

 

つづく