アラスデア・マッキンタイア『美徳なき時代』みすず書房を読む。
初版は2004年である。本書は現代における道徳的危機を、系譜を辿りながら検討していく本である。
まずマッキンタイアは本書の序盤で情緒主義の批判をする。
情緒主義とは、端的に言えば道徳の判断は「感情」から来るものであり、信念のようなものである。
ムーアの「直感主義」から借用された用語とされている。
現代ではメタ倫理学とされる分野で、読み進めれば読み進めるほどややこしい議論であった。
バトナムの『事実/価値二分法の崩壊』の論争と似ている。
道徳は事実と判断をめぐる価値の問題でもある。
この本から何かヒントを得たいと感じた。
つづく