はてなブログ大学文学部読書研究科

読書と哲学がメインです(毎日更新)

読書日記69

ちらのつづきを読み進める。

今回は『実力も運のうち 能力主義は正義か?2021年』で有名なマイケル・サンデル氏をとりあげる。

(※この本は2011年に出版されているので、対象は『これからの「正義」の話をしよう』になる)

 

nainaiteiyan.hatenablog.com

 

サンデル氏はリベラリストロールズと、リバタリアニストのノージックを批判する。

両者ともにカント的な「自分の責任は自分の引き受けたものにある」という考えのもと、人間は道徳的で独立した行為者であるという前提になっている。そして、自らの選択を、自らの意志で自由に選ぶことができるという前提になっている。

 

 

ここには、人間を均質的に捉える向きがある。現実には、個々の判断力にはバラつきがある。

ここで想定されている自我をサンデル氏は「負荷なき自我」であるとして、批判する。

 

サンデル氏は、道徳的な責任には3つのカテゴリーがあるとしたうえで、ロールズやカントの概念では3つ目の責任は説明できないとする。

 

1.理性的な存在として他者を尊重し、正義を遂行すべき普遍的で自然な責任

2.他者と結んだ約束を守るべきであるという個人的で自発的な責任

3.個別的ではあるが、合意を必要としない連帯の責任

 

 

3つめの例として難民問題が挙げられる。ロールズは善よりも正義を優先しているがため、限界があるとサンデル氏は指摘する。

 

サンデル氏は正義よりも善を優先すべきだと主張した。

 

 

サンデル氏はロールズの正義論を部分的には肯定するものの、単に個人の効用を最大化させるだけでは公正な社会を作り出すことはできないとする。

 

 

善き社会、善き生活というものを互いに考え、公正な社会を作り出すべきであるとサンデル氏は主張した。

つづく