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読書日記52

山元『正義論の名著』ちくま新書(2011年)を読む。

正義に関する議論は今日、世界中で白熱しているようにみえる。

マイケル・サンデル氏は正義に関する本を頻繁に出している。

 

 

今年になって、ロールズ『政治的リベラリズム』という本も出た。

正義に関しては話題に事欠かない状況がつづいている。

そして僕もまた、今年に入ってからは、正義と政治に関することを頻繁に考えるようになっている。

 

 

本書は正義に関する、数千年にわたる議論を串刺しにする本である。

まず僕はプラトン『国家』の章までを読み進める。

ソクラテスが自ら死刑を受けた理由はただひとつ、「不正をするより、不正をされたほうがまだよい」という一貫した哲学であるようにみえる。

何故か。

 

 

本書によれば、ソクラテスは「正義とは何か」と考えるには、まず何のために国を作るのかをハッキリしなければならないとした。

そして分業をうまく機能させるためには自らを律することが大事だとした。

つまり、理想的な個の集まりが理想的な国(=集団)ということに繋がる。

 

 

欲望を抑えるには理性が正しく機能しなければならない。

欲望をうまく使うにも理性を正しく機能させなければならない。

つまり、自分を「支配」することが大事であるとソクラテスは主張する。

 

 

ここがソクラテスの哲学の核である僕は感じた。

そのあとにアリストテレスが登場する。

つづく