自分は70億人という途方もない数字のなかのただ一人に過ぎない。
しかしながら、そうでありながらも「アイデンティティ」「個性」に拠り所を見出している。
何と何が矛盾しているのかを理解しつつ、それ以上詮索しないように人は無意識に回避している。
それが正常であって、それ以上考えすぎると強迫観念のように狂気が襲ってくる。
紛争問題もにている。
二律背反的で、解決に終わりがない。
これはある意味狂気の状態である。
そして狂喜がやがて凶器になる。
集団レベルになると合理的に回避できないのだろうか。
もしかすれば、これもアナロジーになり得るかもしれない。
問題の根源としての二律背反。
ヴィトゲンシュタインの「語り得ぬものには沈黙せよ」とは、換言すれば「回避」だ。
それは、やはりこれ以上詮索すると有害になると判断したからだろうか。
「狂気」というものは21世紀においても考察する意義はある。
もちろん精神医学に密接かかわることだからである。
つづく