『自分の中に毒を持て』青春出版社 より
人は、大災害の後に度々、
「生き方が変わった」
「人生が変わった」と言う。
僕は感じた。
生が生らしくあるためには、
逆説的には死に近づかなければならないのだと。
例えば、何をしていいかわからなくて悩む若い人が時々いる。
それは、その人が「死」から遠い位置にいるからかもしれない。
若ければあと50年以上は生きるだろうし、加えて平和な世だ。
外国を見渡すと、とても平和とは思えないものの、人間らしく生を全うしている人が多いように見える時がある。
また、動物が美しく見えるのは、動物が常に死と向き合っているからだとも思われる。
死から限りなく遠いほどに生でなくなる。
もしかしたら、若い人が元気じゃない、と言われるのはそういうことなのでは、と思う今日この頃だ。
つづく