僕は徳に関する本が好きになった。
池田晶子さんは「自分だけは善く生きようと思う」という主旨の文章を書いていた。
きっと池田さんも、半ば狂気じみたこの世界に何か思うことがあったのだろう。
徳には大きく二つの性質があるように思われる。
マクロ的な徳とミクロ的な徳。
つまりは、社会的な道徳と個人的な徳。
僕は思うに、社会的な道徳は「可変的」であり、個人的な徳は「不変的」である。
個人がどう生きるのかは社会に影響される。
しかし本質的には影響はされつつも、根本は変わらない気がする。
資本主義は「最悪のなかの最高」であるならば、まだまだ人類は未発展ではないだろうか。
しかし、個人としての生き方には、何か普遍的な法則があるように僕はみえる。
徳にも関数的な要素があるのだろう。
社会と個人が相互に作用しあう。
しかし実態は複雑で、捉えきれていない。
徳の「極限」に僕は興味がある。
つづく