アリストテレスによると、人の生き方には3種類あるらしい。
・享楽的生き方
・政治的生き方
・観想的生き方
現代に照らすと快楽至上主義、拝金主義(または地位・名声を目的とする)、その他となる。
私は、生き方を論じるとなると複雑になると思い、人の行動の源泉を考えてみた。
何が人を行動させるのか。ざっくり4種類に分類してみた。
A.感情(欲求、怒り、悲しみ、洗脳、命令など、感情が複雑なため多岐にわたる)
B.損得勘定(理性)
C.自己の道徳(信念や理性によって感情と損得勘定が否定された場合Cになる)
D.直感(勘、理性を越えたもの、かつ感情がない)
アリストテレスの生き方と比べてみる。
享楽的とは、楽しいことが一番である。つまり本能的に生きること。欲であるので、AかDを選択する。しかし欲が優先されるので、損得勘定で欲を優先するような行動を取るかもしれない。Bもある。欲や感情を否定できる人でない限りCは無理だろう。
政治的とは、地位・名声・権力といった、今でいう年収やステータスなどを重視する意識高い系の人のように生きること。当然損得勘定が働くだろう。Bは間違いない。また、非常に良い意味でも悪い意味でも賢いのが特徴で、CやDも考えうる。また、やる気が重要なため、感情も大事だ。時には感情的になり、時には道徳的になり自己犠牲も厭わないだろう。そのためAも含まれるだろう。つまりA~Dまで全て含む。
観想的とは、その他であるが、本能に邪魔されず、権力やお金にも興味がない、平和的というか、草食的というか、ある意味人間らしい生き方である。彼らはある感情を否定すれば、ある感情は大事にしたりするだろう。Aはある。損得勘定はどうだろうか。どちらかというと、逆に損するほうを敢えて選んだりするかもしれない。逆もあるかもしれない。Cは絶対であるのだろうか欲がない、名誉もいらない、ただ何も考えていないのであるならば、Cがない人もいるだろう。Dはあるかもしれない。
そうすると、アリストテレスの生き方をまとめると、
・享楽 A・B・D
・政治 A・B・C・D
・観想 A・B・(C)・D
するとある法則が見えてくる。
Cの強弱である程度決まるみたいだ。それは自己の信念や道徳的な生き方に照らし合わせた生き方だ。つまり、行動が人生の何を変えていくのか、少し見えた気がする。
ざっくりまとめてしまったが、今度はCに着目するといいかもしれない。
信念と道徳。これは似ているようであまり似ていないかもしれない。
ある信念は道徳的であり、ある信念は非道徳的だ。
アリストテレスによれば、観想的な生き方が良いということらしい。
Cが強すぎるのだ。地位・名声・権力にとらわれ、それに向かうことを自己の善とする。
ただ、ニコマコス倫理学はまださらっとしか読んでいないので、もっと深い倫理を見ていきたい。今日はここまでである。
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